中国の主張する根拠と「無主地先占」の原則
では、中国が自国の国土からはるか遠い南シナ海の領有を主張する根拠は何でしょうか。中国政府は1980年に根拠を列記した文書を発表しており、そこには「紀元前2世紀に中国人がこの海域を航行し島々を発見した」「紀元後の3世紀に書かれた書物に島々の地形の特徴が記されている」などと記されています。
しかし、多くの学者や研究者はこれらを「中国人が島々を認識していたという程度のものであり、国家として島々に対して権限を行使していたわけではない」と否定しています。
「無主地先占(むしゅち・せんせん)」という言葉をご存知でしょうか。無主地(主のいない土地)に対し、国家として明確な意思を持って最初に実効支配することで自国の領土とする行為を指し、領土に関する国際ルールの一つとなっています。冒頭で触れたフォークランド諸島についても、イギリスは「自分たちの領土とする明確な意思を持ち、国家として最初に実効支配した」ことを根拠にしています。自分の国からどんなに遠くても、です。
南シナ海の島々についても、この「国家としての意思として支配したかどうか」が争点になっているわけです。
ちなみに、この南シナ海に浮かぶ争いの海は、敗戦までは日本が統治し「新南群島」と呼ばれていた経緯があります。1951年のサンフランシスコ平和条約で日本は権利をすべて放棄しましたが、歴史的には日本も無関係ではありません。














