サッカーW杯のピッチに持ち込まれた「領有権」の主張
サッカー・ワールドカップの決勝が終わりましたね。スペインがアルゼンチンを1対0で破り、ヨーロッパ勢と南米勢の対決となりました。いつもはアジアの情勢を語る私がなぜこの話題を取り上げるのか不思議に思われるかもしれませんが、注目したいのは準決勝のイングランド戦での出来事です。
試合後、イングランドに勝ったアルゼンチンの選手たちがスタンドに向かって横断幕を掲げました。そこにはスペイン語でこう書かれていました。
「マルビナスはアルゼンチンのものだ」
マルビナスとは、英語名「フォークランド諸島」のアルゼンチンでの名称です。この島々は南米アルゼンチンの東岸沖合約500kmに位置するイギリスの自治海外領です。イギリス政府によれば、イングランドの探検家によってこの島の記録がなされたのは1592年のこと。これが今日、イギリス本土から遠く離れていても領有権を主張する根拠となっています。
このフォークランド諸島をめぐり、1982年にイギリスとアルゼンチンの間で「フォークランド紛争(戦争)」が起きました。アルゼンチンは武力で島を占領しましたが、イギリスが艦隊を派遣し、圧倒的な軍事力で島を奪還しアルゼンチンは降伏しました。
戦争の相手だったイングランドにサッカーで勝利したアルゼンチンの選手たちは、紛争から44年が経過した今でも「島は我々アルゼンチンのものだ」と、ピッチ上で領有権を主張したわけです。














