第108回全国高校野球選手権広島大会は22日(水)、準々決勝の大一番を迎える。注目のカードは、50年ぶりの夏の甲子園を目指す崇徳と、大会4連覇を狙う絶対王者・広陵の一戦だ。

届かなかった「あとひとつのアウト」

崇徳にとって、広陵という存在は単なる強敵ではない。それは幾度となく甲子園への道を阻まれてきた「高き壁」であり、越えなければ絶対に前へ進めない宿命の相手だ。

思い返せば1年前の2025年夏、広島大会決勝。崇徳は9回2アウトまで勝利を手にしかけていた。あと1つのアウトで、1976年以来となる夏の甲子園へ届いていたはずだった。しかし、そこから王者の驚異的な底力に呑み込まれ、同点、そして延長タイブレークの末に逆転を許した。歓喜に沸く広陵ナインの背中を、ただ涙を流し、茫然と見つめることしかできなかった。

崇徳高校のグラウンドには昨夏の決勝のスコアが掲げられている

「最後の1球まで集中しなければ勝てない。自分たちはチャレンジャーなんだ」

当時2年生で捕手としてこの敗戦を胸に刻んだ新村瑠聖(しんむらりゅうせい)
新チームではキャプテンに就任した新村がメンバーと共に帽子の庇に書き込んだ言葉は「下剋上」。あの胸を削られるような痛みこそが、新たなチームを作るすべての起点となった。