「どうしていいか分からない」突如訪れた暗闇

その歴史と重圧を背負う新村という球児は、圧倒的なキャプテンシーの持ち主だ。
誰よりも努力し、勉強では常に学年のトップ5に名前を連ね、野球でも古豪・崇徳で1年春から捕手のレギュラーとして絶対的な存在感を放ってきた。まさに文武両道を徹底し、言葉と背中でチームを牽引する。グラウンドの隅々にまで目を配り、下級生に限らず同期でも緩みがあればすぐさま正す。今春のセンバツ直前、取材に訪れた筆者でさえ背筋が伸びるほどの凛とした空気を纏っていた。

チームの大黒柱として牽引する 新村瑠聖主将

だが、33年ぶりの選抜甲子園を終えた春、チームは暗闇に落ちる。練習試合でも勝てず、士気は一向に上がらない。まるで燃え尽き症候群のような重苦しい空気が漂うなか、すべてを一人で背負い込んできた新村すらも「どうしていいか分からない」と苦しんだ。