「お金がなければ悲しむ暇すらない」遺族を追い詰める経済的負担

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精神的・肉体的な苦痛に加え、遺族をさらに追い詰めるのが「経済的な問題」です。

限られた公的支援と、無情にも引き落とされていく生活費。「お金がなければ悲しむ暇すらない」という、犯罪被害者支援の死角が浮き彫りになります。

(寺輪 悟さん)
「次に経済面です。いくら悲しんでいても、世間は待ってくれません」

「皆さんご自身はどうでしょう。こんな辛い思いをして。電気、ガス、水道、住宅ローン、自動車の保険、自動車ローン、携帯料金、住民税、固定資産税、国民年金、国民健康保険。無情にも引き落とされていきますよ」

「そこに、家庭の事情は関係ないんです。どんどんどんどん目減りしていきます。貯蓄がある者はいい、蓄えがある者はいいと思います。しかしそれほど皆さん、力がある者は多くないと私は思っています」

「でも現実に、『お金がないと悲しむ暇もない』というのは正直なところです。国がしてくれたのは、私たちを賄うようにしてくれたことは、320万、その給付金だけです。それ以上でも以下でもなんでもありません」

被害者支援条例の必要性

経済的に追い詰められる遺族にとって、最後の頼みの綱となるはずの公的支援も、自分が暮らす地域には当時「全くなかった」と寺輪さんは明かします。

被害者支援条例が存在しなかった当時の残酷な現実と、社会に対する切実な当時の思いを訴えます。

(寺輪 悟さん)
「もちろん三重県には、(被害者支援の)条例も、市にも町にも全くありませんでした。『ゼロ県状態』です。自分が住んでいる地域、全く何もしてくれません。これが現実です」

「蓄えがない、悲しんでいる暇もない。これが私が出した答えです。それだけの蓄えのある人間がどれだけいるでしょう。ほんの一握りだと思います」

「普通の家庭はそんなわけにはいかない。おちおち悲しんでいる暇もない、というのは、皆さんご自身の身に考えてみてください。少し考えていただきたい」