ウイニングボールは、一番に見せたかった母のもとへ
劇的なサヨナラ打に、アルプススタンドと家族は歓喜に包まれました。

父・誠さん 「もしかしたら回ってくるかと思っていたんですけど、妻の力のおかげだと思います。よく打ちました。空から妻が応援してくれて、チームのみんなが応援してくれたおかげで、流れが変わって打てたのだと思います。できすぎですね」

妹・瑚佳さん 「最後、本当にお兄ちゃんに打順が回ってきたときはずっとヒヤヒヤして、大丈夫かなって思っていたけれど、しっかり決めてくれてよかったです。お兄ちゃん、本当にかっこよかったです!」
母方の祖母・前田順子さん「嬉しかったね」
父方の祖母・金井洋子さん「最後の最後の打席で、(涼子さんが空の上から)『隼誠ー!』って叫んでいたかもしれないね」
試合後、多くの記者に囲まれた隼誠選手。秋も春も延長タイブレークの末に初戦敗退を喫していた高岡高校。「もう二度と同じ悔しさは味わいたくなかった」と語るその表情には、これまでの苦しみを乗り越えた確かな達成感がみなぎっていました。

前田隼誠選手 「『自分で決めてやる』という強い気持ちで(打席に)入りました。絶対に勝つぞという強い思いだったので、本当に嬉しかったです。お母さんが力をくれたんだと思います」
中野監督から、ある特別なボールが手渡されました。

中野雅之監督「これ、最後前田選手が打ったボールです。このボールをお母さんのところに飾ってあげて。監督としての初勝利のボールだったから、本当は俺も欲しかったんだけど(笑)、これはお前にやるわ。ちゃんとお母さんに見せてあげてな」

前田隼誠選手 「はい!ありがとうございました」

中野監督も、この劇的な幕切れには驚きを隠せませんでした。
中野雅之監督「本当に、前田選手に何かの力が宿っていたのではないか……と思わざるを得ないような、奇跡的な展開でした。タイブレークになった時点で、1番、2番で勝負しようと心に決めていたので、最後は思った通りにやってくれて、本当にすごい選手たちだなとベンチで感動していました。彼の気持ち、みんなの思い、そしてスタンドも含めてたくさんの人が応援に来てくれたおかげです。勝てて本当によかったです」

その日の夜、自宅に戻った隼誠選手は、母へ最高の報告を届けました。

前田隼誠選手 「(お母さんには)『きょうはお母さんの力で打てたよ』ってことを伝えておきました。人生で一番良い当たりでした。多分お母さんも喜んでくれていますし、『ナイスバッティング!』って言ってくれていると思います」

仲間を信じ、母との約束を胸に。 高岡高校の、熱い夏はまだ始まったばかりです。

次なる戦いは7月18日。シード校の強豪・富山商業に挑みます。


空の上のお母さんへ、また最高の「手紙」を書くために――彼らの挑戦は続きます。















