(ブルームバーグ):米エヌビディア製AI半導体「H200」の少量が、米当局の承認を受けて中国の顧客向けに出荷された。輸出管理体制を管轄するトランプ政権当局者が確認した。
米商務省のケスラー次官(産業安全保障担当)は14日、エヌビディア製プロセッサーの「ごくわずか」が中国に出荷されたと述べた。ただ、半導体の数量や購入者の詳細は明らかにしなかった。
同次官は、米輸出管理体制を管轄する下院外交委員会の公聴会で、「重要なのは、H200と同等品について、許可に基づく出荷は極めて少数にとどまっているという点だ」と話した。「半導体の量は非常に少なく、ごくわずかな規模だ」と語った。
エヌビディアのH200は、トランプ大統領が昨年12月に中国向け輸出を認めた。中国のAI分野での野心を抑え込むための米輸出規制を大きく緩和する動きとされていた。同社の次世代モデル「ブラックウェル」が2024年末に投入されるまで、H200は市場で最も高性能なAI半導体であり、メモリー容量と帯域幅に優れていた。
中国は世界最大の半導体市場で、22年時点ではエヌビディアの売上高の4分の1を占めていた。その後、米国の輸出規制が強化される中で、同社の中国売上高比率は1割未満に低下した。大半はパソコン向け画像処理半導体によるものだ。同社は投資家に対し、トランプ氏がH200販売を認めた後も、当面は中国市場でAIプロセッサーによる追加収益を見込んでいないと繰り返し説明している。
商務省は1月、トランプ氏のH200に関する決定を正式化する規則を公表した。販売先を確認済みの中国の買い手に限定し、出荷額の25%を米国に納める内容だ。半導体の米輸出許可を求める企業には、技術が中国の軍事目的や軍事関連の最終使用者に渡らないことを確認するよう義務付けている。核兵器やミサイル、化学・生物兵器向けも含まれる。
ケスラー次官は、H200の許可申請者は「厳格な国家安全保障上の要件を満たす必要がある。半導体が本来想定された性能水準で動作し、それを上回らないよう確認することも含まれる」と述べた。
米国はH200の中国向け出荷を認めているが、中国当局側は国内企業による米国製半導体の購入ペースを遅らせている。米国設計のAI半導体が大量に流入すれば、自国の半導体産業を育成するという政府の長年の目標が妨げられると、当局者が懸念していることも一因だ。
エヌビディアの報道担当者にコメントを求めたが、すぐには返答がなかった。
公聴会
外交委公聴会でマスト委員長(共和)は、ケスラー氏が率いる商務省産業安全保障局(BIS)に対し、エヌビディアのより高性能なブラックウェル半導体が中国に渡らないよう追加措置を取るよう促した。マスト氏は、商務省のブラックリストの対象となる中国企業を増やすよう求めた。議員らによると、同リストへの追加は25年10月以降行われていない。
マスト氏は、長鑫存儲技術(CXMT)や長江存儲科技(YMTC)、テンセント・ホールディングス(騰訊)、アリババグループなど中国のテクノロジー大手について、商務省が追加規制の対象にすべきかケスラー次官に説明を求めた。4社はいずれも、中国軍を支援していると米国が見なす企業を載せた国防総省の監視リストに入っている。ただ、同次官の部局が管轄するブラックリストに載っているのはYMTCだけだ。
ケスラー次官は、国防総省の見解に同意するとした上で、これらの企業への輸出を認める際にはBISが「非常に慎重」である必要があると述べた。ただ、テンセントやアリババ、CXMTに対し、BISがより正式な措置を検討しているかどうかについては明言を避けた。CXMTは上海市場で98億ドル(約1兆5900億円)の新規株式公開(IPO)を予定している。
原題:Small Amount of Nvidia AI Chips Sold to China Via US License (1)(抜粋)
--取材協力:Ian King.もっと読むにはこちら bloomberg.com/jp
©2026 Bloomberg L.P.