今や様々な現場で活躍する小型の無人航空機・ドローン。

空撮など目視しながら操縦するレベル1をはじめ、レベル2以上は自動で飛びます。

そして、レベル3以上は操縦者の目が届かない場所を飛行し、荷物を輸送。そして、12月、人がいる上空でもドローンを飛ばすことができる「レベル4」が解禁され、物流などへの活用が期待されます。

今後、必ずや私たちの暮らしを支えることになりそうなドローン、その最前線を取材しました。

ドローンの開発・製造を手がける東京の企業「VFR(ブイ・エフ・アール)」の生産拠点、「Azumino(アズミノ)SORA(ソラ)Factory(ファクトリー)」。

12人の社員がドローンの開発や試作にあたっています。

(VFRビジネス開発本部・藤原友人課長)「これはですね、用途がちょっと特殊でして、例えば水道管の中、中の腐食状態であったりですとか、人が入って検査しにくい場所、そういったところを飛ばしてメンテナンスに使うドローンになってます、センサーが複数付いていますので、土管の中でバランスを取りながら自動的に前進をしていく」

こちらがVFRの主力製品、空を飛ぶドローン「PF―2」です。


「プロペラが6枚ついていますので、万が一、一つのプロペラが止まったとしても無事に着陸ができる」

これまでドローンは目視が可能な範囲を飛行する「レベル1」と「レベル2」。

山あいや河川の上空など、地上に人がいない場所に限って目が行き届かない範囲も飛行させることができる「レベル3」までが認められていて、県内では伊那市の長谷(はせ)地区でドローンによる食品や日用品の配送サービスを2020年から行っています。

12月5日に解禁された「レベル4」では市街地など人がいるエリアの上空でも操縦者が目視できない範囲を飛行できるようになりました。

「例えば安曇野地域から上田地域に何か急ぎで医療の何かを運ばなければならないといったときにドローンであれば上空に上がってまっすぐ行って下りるだけ、例えば災害現場に急行して上空から確認する、かつ、緊急の何か資材を積んでそれを被災者のところに持っていっておろして帰ってくることも可能になる」

今後、物流などさらに幅広い分野での活用が期待される「レベル4」。

一方、私たちの生活エリアの上空も飛行できるとあって、安全性の確保が一番の課題になります。

「ほぼ全てのドローンにGPS、センサーが搭載されていて、万が一何かと衝突しそうになった、もしくは地面スレスレで地面に激突しようになったということをシステム側が全て判断して回避して安全に飛行させることができる」

最新のドローンでは事前に飛行経路や高さ、速度などをパソコン上でプログラミングしその通りに飛行する自動操縦が可能になっています。

「もう、今の技術を使うと数センチレベルの誤差しか出ません、ほぼピンポイントに下りてくるイメージですね」

新設された「レベル4」では高度な飛行が要求されるため機体の安全性を検査する「機体認証」や、学科や実地試験が課される「操縦ライセンス」の取得が必要となります。

さらに、運航ごとに国の許可・承認も必須となりより安全性の高い厳格な運用が求められます。