毎年1月16日は、「閻魔大王(えんまだいおう)の縁日」で、地獄のふたが開く日とされています。

この日に合わせて長野市松代町では、閻魔大王の大きな絵が年に1度公開されています。

120年以上大切に守れてきた一枚とは。

長野市松代町の龍泉寺(りゅうせんじ)。

年に一度、公開される絵を見ようと多くの人が訪れました。


(レポート)「こちらが閻魔大王図です、私の背丈の倍以上の高さがあります、今にも喋りだしそうな迫力、近くだとちょっと怖い」


高さ3.6メートル、横幅は4.6メートル。

畳およそ8帖分の大きさがあります。

閻魔大王図が描かれたのは明治時代、廃仏毀釈(はいぶつきしゃく)で町にあった閻魔堂が取り壊されたことがきっかけでした。

そして1894年=明治27年、閻魔堂にかわるものとして地元の絵師が描いたのが、真っ赤な顔でにらみをきかせる「閻魔大王図」。

「閻魔大王の縁日」である1月16日に向けて元日から15日間かけて書き上げ、年に1度この日に公開しています。

(龍泉寺・應永興宣住職)「(襟の)白いところハトになっている、ちょうど日清戦争に突入していく時ですので画伯も平和を祈ったのかなと思う」


(訪れた人)「立派でびっくりして町内にいるんだけどなかなか中に入って住職の話を聞くことはなかったからきょうは本当に参考になった」

訪れた人たちは、閻魔大王の迫力ある絵に見入り、1年の無事を祈っていました。