なぜ円安は止まらないのか?
日銀が今回の利上げで狙っていた効果の一つが「円高への転換」でした。日本の金利が上がることで円を買う動きが強まることが期待されていましたが、現実には為替は160円台で推移し、むしろ円安傾向が続くなど、期待された効果は今のところ表れていません。その理由として、加藤氏は以下の2点を挙げています。
1.欧米との圧倒的な金利差
欧米の金利は依然として2〜3%台と高く、日本の金利が1%に上がった程度では、円買いへの大きなお金の移動には繋がっていないこと。
2.日本の財政に対する市場の懸念
金融市場は日本の財政状況を厳しく注視しています。食料費にかかる消費税の停止など「責任ある積極財政」が議論されていますが、市場はこれを「さらに財政赤字が増える動き」と捉えており、日本の財政に対する信頼度が低いこと。
政治家には景気アピールのために金利を低く保ちたいという思惑があり、アメリカでもトランプ大統領が、日銀にあたるFRB(連邦準備制度理事会)のパウエル前議長にしつこく利下げを迫ったように、日本でも政治と中央銀行の間には常にせめぎ合いが存在します。
加藤氏は、「歴史的な水準への変更ではあったものの、経済全体とくに円安是正については期待された効果は出ておらず、その点では物価安定には結びつかない。日銀は今後数か月、さらなる利上げを行うかどうか様子を見ていくことになるだろう」と分析しています。














