■「南部戦線を戦闘訓練の場所として使っている」
南部戦線ではヘルソンを放棄したロシア軍と南部奪還を図るウクライナ軍がドニプロ川をはさんで、一進一退の攻防が続いていた。しかし年明け、ウクライナ軍がドニプロ川河口付近の要衝ボリショイ・ポチョムキンスキー島を奪還したという。この島は領土奪還計画の拠点となり、攻撃できる範囲が広がり、さらには解放されたドニプロ川西岸にロシア軍が再び進出することを防ぐという。南部防衛司令部の報道官を取材した。すると、この南部でもロシア軍に変化が見えるという。
南部防衛司令部 ナタリヤ・グメニュク 報道官
「南部戦線にはロシアの正規軍が多くいます。動員されたばかりの兵士も多数来ています。南部戦線を戦闘訓練の場所として使っているのです。南部は東部ほど戦闘が厳しくないので、戦闘に慣れていない動員兵を連れてきて、戦地でスキルを身に着けさせようとしているのです。(中略)東部ではロシアの兵士が不足しています。南部で訓練した兵士はバフムトなど東部に移動させています。ロシア軍は体制を強化できない。出来るのは動員兵の移動くらいなのです」

南部戦線は軍事訓練の場。訓練した兵士は東部に送り、減ったワグネルの補充に当てる。という流れなのか。それにしても実戦の地で戦闘訓練など、これまでもあったのだろうか。
東京大学先端科学研究センター 小泉悠 専任講師
「普通はないと思います。ロシアは相当逼迫している。単純に言うと動員した兵隊さんを訓練する教官もいないし、訓練所もない。戦時訓練のリソースがない。ショイグ国防相が言ってたのは、ロシア全土の訓練所とベラルーシの訓練所を使っている。100か所あって、3000人以上の教官がいるって。でも30万人の動員に対して少ないんじゃないかって感じ・・・」
防衛研究所 兵頭慎治 政策研究部長
「ある程度戦力になったらドネツクに送る。やはりロシア側としてはドネツク州に士気の高い動員兵を投入しながら、何とかここを制圧したいという強い意図を感じます」
(BS-TBS 『報道1930』 1月5日放送より)

















