大阪・道頓堀川で絶滅危惧種「ニホンウナギ」が初めて捕獲されました。
都会の真ん中になぜウナギが?ウナギがいる意義とは?
実際に道頓堀川でウナギの初捕獲をした研究者に、直接話を聞きます!
■道頓堀川で絶滅危惧種の「ニホンウナギ」初捕獲

今回ニホンウナギが捕獲されたのは、大阪中心部、繁華街周辺の道頓堀川。
道頓堀川は全長2.7キロメートル。グリコの看板でおなじみの戎橋(えびすばし)から下流に500メートルほどのところで捕獲されました。

かつて、ニホンウナギはとても身近な生き物でした。
【分布】日本(北海道南部以南)、中国・台湾など東アジア一帯
【生態】川で成長し、海で産卵。日本沿岸には冬に幼魚(シラスウナギ)が現れ河川を遡上する
生態には謎が多く、近年、急激にその数が減少していることから、絶滅危惧種に指定されています。

ニホンウナギを捕獲したひとり、大阪府立環境農林水産総合研究所(おおさか環農水研) 生物多様性センターの主任研究員 山本義彦氏に話を聞きます。
■はじまりは「環境DNA」

2022年5月。山本さんらが大阪の河川の調査をする中で、あることが分かりました。道頓堀川の「環境DNA調査」でニホンウナギのDNAが検出されたんです。
つまり、土の中や水の中にDNAは見つかった。しかし、「状況的に道頓堀川にニホンウナギの存在は分かっていたが、実際に捕獲し確認はできなかった」ということです。
おおさか環農水研 山本研究員:
ウナギはいるだろうと考えていましたが、まずDNAで見つけることができましたので、ウナギがいる証拠が一つ増えたということになります。
恵俊彰:
なぜウナギがいると思ったんですか?
おおさか環農水研 山本研究員:
ウナギがそもそも生息している環境が大阪市内や淀川の河口にあるので、道頓堀川にいても全くおかしくないだろうと考えていました。

山本さんは、これまでも「絶滅危惧種のニホンウナギは道頓堀川にいますよ」と言い続けてきましたが、「まさかそんなのいないよ」と否定され続け、誰にも信じてもらえない時期が続いたんだそうです。