「山ガール」と「5m・800m理論」が会社の危機を救う

―――大変なタイミングで社長になったんですね。
社長になってから7年間のうち3回赤字で、そのうちの2回は連続赤字でした。流石に社長に就任して7年連続業績が悪ければ銀行が黙っていませんね。銀行が「ちゃんと説明してください」と。要は「融資を止めますよ」という具合です。2005年のことですが、仕方なくペーパーを作って銀行へ説明に行くんですが、その週だったか、日曜日に家族を呼んで家族会議ですよ。「こうこうこういう理由でうちの会社がなくなるかもしれない」と。
―――起死回生の策はあったのですか?
起死回生の策はあまりなかったんですよね。ただ、1985年から1995年までにあった我々の「第1次隆盛期」にキャンプを経験した子どもたちが大人になったら、きっとキャンプをするようになるだろうと。そうなったら「第2次のブーム」みたいな隆盛期が来るはずだと考えました。すると、2009年に「山ガール」というブームが来たんですよ。やがて彼女たちは母親になるから、子どもを連れてキャンプに行くことになると見込んで、「いよいよチャンスが来た!」と思って準備を始めました。
―――「女性と子どもに特化する目線で」というのは、そこからですか?
お母さんと子どもたちをターゲットにしようと決めて。「きっとこれが差別化にもなる」と考えました。『5m・800m理論』を勝手に作ってね。この理論は、ロゴスが目指すアウトドア用品のフィールドです。海辺5mのところから高さ800mのエリアのものを専門的に作ろうと。800m以上になると登山だから登山専門店に任せたらいいと。
―――「山ガールブーム」は2009年で、そこから業績が上がった感じですか?
徐々に業績は上がりだして、ちょうど「山ガール」の人たちがお母さんになって、子どもが2から3歳になったのが2015年ぐらいからだと思うんですけど、そこから2022年まで7期連続増収増益ですね。コロナ禍にもかかわらずで、まさに「山ガールさまさま」です。














