突然、父から電話「会社が年末までもたない」

―――お母さんは心配されませんでした?
 心配していましたね。大学3回生の終わりぐらいの時に母親に呼ばれて、「あんた就職どうするの?」って。「お父さんが心配しているみたいだから」と言うので、私は「俺は家業を継がないよ」と。もうその一言だけですね。あまりぐちゃぐちゃ説明する必要はないなと思ったので、「継がない」と。「自分で考えて就職するから」と言いました。

―――でも結局、20代で家業に戻るに入ることになったきっかけは?
 ある日、父から電話かかってきまして、「年末まで会社が持たないかもしれない」と言うんです。「年末まで持たないかもしれない」と言う割に、「お前が入ったら必ずこの会社は伸びる」と言うんです。意味不明な話で…。「何を言っているのかな?」と思ったんですけど、少し時間を置いて妻に相談したら「自分の考えの通りに進めたら」と言われました。それが結構、ドーンと後押しになりましたね。