1月12日、静岡県内で過去2番目の多さとなる9189人が、新型コロナウイルスに感染したことが分かりました。感染の拡大を受け、医療現場のひっ迫は深刻化していて、静岡県は「医療ひっ迫防止対策強化宣言」を出す方針を固めました。
様々な医療器具につながれた男性は新型コロナの重症患者。看護師らは、患者の着替えにも防護服を身につけ、対応しています。静岡県の重点医療機関のひとつ藤枝市立総合病院です。
<伊豆川洋輔記者>
「救急病床に来ています、こちらが一般の救急病棟なんですが、この先にコロナの専用病床があります。きょうもほぼ満床の状況が続いているということです」
主に中等症や重症の新型コロナ患者を受け入れているこの病院では、専用の病床が10床ありますが、2022年12月末から、ほぼ満床の状況が続き、限界を迎えつつあります。
<藤枝市立総合病院 毛利博事業管理者>
「非常に医療は危機に瀕している。今のところ(感染状況は)レベル3となっているが、レベル4というのは、医療の機能不全=医療崩壊のこと。ただ、レベル3からレベル4に、このままでいくと進んでいく可能性はある」
止まらない新型コロナの感染拡大。1月12日の静岡県内の新規感染者は、9189人と過去2番目を記録。静岡市は過去最多の2025人、浜松市は2272人は感染し、死者は県全体で10人確認されています。
病床の使用率は、深刻な状況です。藤枝市立総合病院のある県中部は9割に迫り、県全体でも82.4%と危険水域を超えています。感染拡大の歯止めがかからない状況に、毛利医師は病床だけでなく、医療従事者も足りなくなるのではないかと、危機感を募らせます。
<藤枝市立総合病院 毛利博事業管理者>
「医療従事者、看護師を中心に感染を受けている。家庭内感染が一番多いが、そういったことでマンパワーが削がれて、ベッドはあるけども、診れる人がいない、というような状況にもなってくる。そうすると、助けられる命も助けられないというような状況にこれから間違いなく進んでくる」
毛利医師がいま、懸念しているのが気温の低下です。厳しい冷え込みで、脳梗塞や心筋梗塞などの患者が増え、一刻を争う救急医療の現場では神経をすり減らす日々が続いています。
<藤枝市立総合病院 毛利博事業管理者>
「救命救急の看護師は、かなり疲弊していて、もういっぱいいっぱいの状況で、救急救命センターとしての機能を維持させないと。志太榛原の拠点なので、そこは優先したいと思っている」
医療崩壊への懸念が高まる中で、静岡県も新たな対策を模索しています。11日に開かれた静岡県の専門家会議では、「医療ひっ迫防止対策強化宣言」を出す方針が固められました。これ以上、医療機関の負担を増やさないように、県は重症化リスクの低い人には、自己検査を活用することやリモートワークの促進を呼びかけていく考えです。
<静岡県健康福祉部 後藤幹生参事>
「救急外来に患者が受けいれきれなくて、救える命が救えなくなっている」
県は国との協議を経て、13日にも宣言を出す方針です。
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