葯が開花時刻を制御する?――新たな謎
今回の研究はもう一つ、興味深い知見をもたらしました。イネの開花メカニズムに関する発見です。
イネの開花は、鱗被(りんぴ)と呼ばれる花弁に相当する器官に水分が流入して膨張し、物理的に花が開くことで起きます。このため、開花時刻は鱗被の働きで制御されると考えられてきました。しかしEMF3遺伝子の発現部位を調査したところ、EMF3は鱗被ではなく「葯」で発現していることが判明しました。
イネにおいて葯が開花時刻の制御に関わる可能性が示されたのは、これが世界初のことです。葯で発現するEMF3遺伝子が、どのような仕組みで鱗被の膨張というプロセスを促すのかは、まだ明らかになっていません。研究グループは「開花時刻の制御に関わるまだ知られていない重要な生物学的プロセスが存在することを示唆している」としており、今後の研究が待たれます。














