家族以外と話せない…場面緘黙症の日常

私たちが出会ったのは4年前、みずきさんが当時中学2年生の時でした。
(先生)「石けん出すね。よいしょっ」
教室の洗面台で先生はみずきさんの手を取り、片方ずつ泡を付けて洗っていました。みずきさんは洗面台の前で立ったまま表情を変えず、動くことができませんでした。
みずきさんは通っていた特別支援学校では自分で手を洗うことができず、先生が介助をします。着席しても一点を見つめることしかできません。
極度の緊張から声が出せず、体が固まってしまうため、同世代のクラスメイトと意思疎通をはかることは難しく、当時、彼女には一緒に遊ぶ「友達」もいませんでした。
しかし、自宅や家族とのお出かけ先では、みずきさんは年相応の無邪気な笑顔を見せ、兄妹で他愛のない言い合いもします。どこにでもいる明るい中学生の姿です。
場面緘黙と診断されたのは小学校入学前、6歳の時でした。当時の様子について母の千里さんはこう話します。
(母 千里さん)「入学式の入場行進から体がついていかない。みずきだけが着席できずにポツンと立っている状態がありました。人間として最低限の生活ができるのだろうかという、心配というよりも暗闇というか」














