「見過ごしているかも」平野監督が考える“ギフト”とは?

ドラマ『GIFT』第10話より

自身のスポーツ経験もあり、「この仕事をしていて、考え方はいつも自然とスポーツに置き換えていますね」とも話す平野監督。

「例えば助監督がフォワードで、『ここからボールが出ないと撮影部が展開できないでしょ』というような考え方ですね」と、スタッフやキャストの動きなどは、スポーツのポジションになぞらえて考えることも多い。

そんな平野監督が、本作の撮影現場で担った“ポジション”とは?

「撮影が進むにつれて、だんだん学校の先生みたいになっていきましたね。選手役の皆さんはかなり前からずっと練習をしていて、クランクインする時には、もう“チーム”になっていて。さらにそこからクラスみたいになって、少し緩くなる時もあるので、だいたい僕が(久保田一信役の)ノボせもんなべさんに、あえてみんなの前で『あんまりしゃべってばかりいるとけがするよ』と言ったりすると、みんな若干ピリッとするんです(笑)」

撮影が進むにつれて感じた、自分自身の変化もある。

「『“ギフト”とは何か?』とはよく聞かれるのですが、すごく難しいですよね…。でも、ドラマを作りながら、思わぬつながりや思いがけず引き合うものが、実はいろいろなところにあるんじゃないかなと、僕自身も改めて気づかされました」

日常でふと訪れる、新たな出会いや出来事――。見過ごしがちだが、実は普段から周りには“ギフト”があふれている。

「そこにあるだけで、そこにいるだけで、いい。その中で、知らず知らずのうちに引き合う関係や出来事みたいなものがあって、それが小さな“ギフト”なんじゃないかと思います。それを見過ごしていたり、避けていたりもしているのかもしれない、と振り返ってみる――そうしたことも、視聴者の皆さんにも届くといいなと思います」

ドラマ『GIFT』第10話より

車いすラグビーの熱狂、“NEW親子”という新しい家族像、そして涼の死が残した問い――。最終話で描かれるのは“結論”ではなく、それぞれの登場人物が受け取った「ギフト」の形だ。視聴者にとっても、その意味を考え続けることが、最後の贈り物になるかもしれない。