国連機関「食料危機のおそれ」 肥料の不足・高騰が招く収穫量減少リスク

FAO(国連食糧農業機関)のチーフエコノミスト、マッシモ・トレロ氏は、ホルムズ海峡を通る肥料が激減したことによる食料価格の上昇は、これから表面化していくと指摘する。
FAO チーフエコノミスト マッシモ・トレロ氏
「人々の心配の種は今、エネルギーですが、数か月後には価格が上がる食料に移るでしょう」
FAOによると、すでに必要な量の肥料が届かない国があるほか、一部の肥料価格が50%上昇している国もある。肥料の不足や価格高騰の影響が、作物の収穫量に現れるのは数か月先だという。

FAO チーフエコノミスト マッシモ・トレロ氏
「農業のコストが大幅に上昇しています。農家は、肥料を減らすかどうか決めないといけません。収益性を考えて肥料を減らせば、収穫量は低下します。その影響は、今年の後半に明らかになるでしょう」
輸入する肥料の6割以上を、中東に依存するオーストラリアでは、すでに大きな影響が出始めている。

オーストラリアの小麦農家
「肥料価格が2~3倍になるなんて、全く想像していませんでした。小麦の栽培面積を縮小しました。一部の畑には何も植えず、牧草地にするつもりです。今年は畜産の規模が少し大きくなるでしょう」
オーストラリアは世界第2位の小麦輸出国だ。
10月以降に収穫期を迎えるが、生産量は26%減少する見込みだという。これにより輸出は1000万トン減る可能性がある。世界の年間輸出量の5%に相当する量だ。
輸入小麦の約2割をオーストラリアに頼っている日本にも、影響が及ぶ可能性がある。
FAOのトレロ氏は、地域によっては食料危機になるおそれも指摘した。
FAO チーフエコノミスト マッシモ・トレロ氏
「収穫量の低下で食料価格はさらに上がり、世界的な食料インフレが引き起こされます。このままだと、年末か来年にも食料危機に直面する可能性があります」














