日本でもいよいよ“スパイ防止法”?「登録制」導入で抑止力なるか

情報を「取ってくる」対外情報組織の設置と並行して、政府が検討を進めるのが、国内の情報を「守る」ための法整備だ。その柱とされるのが、いわゆるスパイ防止法の一環として検討されている外国代理人登録法である。

これは、外国政府などの指示や依頼によって日本で情報収集や宣伝活動を行う人物について、氏名や活動内容、資産などを事前に登録させることを義務付ける制度だ。アメリカやイギリスなどの国で導入されているが、日本にはこれまで存在せず、「スパイ天国」と揶揄される一因となってきた。

山﨑記者によれば、この法律の狙いは、外国勢力による活動を透明化し、抑止力とすることにあるという。実際にスパイ活動を行う人物が自ら登録するとは考えにくい。しかし「登録義務」を課すことで、登録せずに行った活動を「登録義務違反」として取り締まることも可能になる。

しかし、この法律もまた、諸刃の剣となりうるリスクをはらむ。最大の課題は、「外国代理人」をどう定義するかという点だ。定義が広すぎれば政府の権限が強まり、逆に厳格すぎるとスパイ側に抜け道を与えてしまうと山﨑記者は指摘する。

線引きの仕方によっては、報道機関や学者、研究者などの活動に影響を及ぼしかねない。アメリカの制度では、外国政府の指示・依頼に基づかない民間メディアの活動は対象外とされ、学術活動には免除規定もある。

正当な経済活動や言論活動に「萎縮」をもたらす恐れも指摘される。ジョージアでは、外国から資金の20%以上を提供されているNGOやメディアを「外国の代理人」と見なす法案をめぐり、市民社会を抑圧するものだとして大規模な抗議活動も発生した。

山﨑記者は「あえて(定義を)曖昧にしておかないといけない部分もあるかと思う。どのような人が日本に入ってきているのかという特性を踏まえた上で、どういう法律を作るかを考えないといけない」と法整備の難しさについて語った。