「ヒューミント」の壁 免責規定と人材育成
また、諸外国では、スパイが海外で国内法に反する行為を行ったとしても、帰国後に免責されるルールが存在しているが、日本にはそうした免責規定はない。国益のための活動であっても、日本の法律を逸脱すれば帰国後に処罰される可能性がある。また、「倫理的にどこまでの活動が許されるのか」というのも、非常に難しい問題であると山﨑記者は指摘する。
一方で、人材確保の問題も指摘されている。外務省にある「国際テロ情報収集ユニット」を拡充する案などもささやかれているが、人材を育て、指導役が次の世代を育成するというサイクルを確立するには、長い年月が必要となる。(※国際テロ情報収集ユニット…東南アジア、南アジア、中東、アフリカ、欧州などで国際テロ情報の収集を行う組織)
加えて、海外で活動する中で危険にさらされた場合の安全確保の課題もある。

山﨑記者の取材によれば、ある政府関係者は「諜報活動を行ったとき、中国やロシアなどはどんな手を使って潰してくるかわからない。そこまでのリスクを考えた組織作りを考えてほしい」と不安を漏らしていたという。
諸外国では、捕まえたスパイ同士を交換するという手法も取られている。しかし日本にはそもそも国内にいる外国のスパイを取り締まる法律が存在しないため、いざという時の「交渉カード」を持てないという点も大きい。














