殺処分されたニワトリなどの数が過去最多の1000万羽を超えるなど、全国各地で猛威を振るう鳥インフルエンザ。
まだ長野県内では発生していませんが、関係者が警戒を強めています。

小諸市内で養鶏場を営む濵野和夫さん。

およそ30坪の鶏舎で、360羽ほどを飼育していて、関東、関西方面を中心に卵を出荷しています。

鶏舎に鳥インフルエンザのウイルスが入らないよう日ごろから防疫対策に力を入れ、鶏舎を囲うように消石灰を撒いています。

「キツネ、タヌキが鶏舎の周りを歩きますので、中に入ることはないですが足についているものを消毒する」


また、鶏舎全体を覆う形でネットも張っています。

ウイルスを保有する水鳥のフンが中に入るのを防ぐためです。

たとえ水鳥が周辺に生息していなくても、別の鳥や動物がフンを運んでくる場合もあると言います。

「千曲川が比較的近いですから、ほかの野鳥が水鳥のフンを運んできたりという可能性があるのでその辺の用心はしている、カラスが多いですしタカもいますからねその辺はネットで防御」

このほかにも、夜間にエサの食べ残しを狙ってネズミが入りこむ可能性があるため、エサが余らないよう管理。

さらに、獣が地中から入り込むおそれもあり、鶏舎をトタンで囲い、侵入しようとした痕跡がないか毎日チェックしています。

「前に掘られた痕ですね、掘られたところを補強」

人の出入りにも細心の注意を払います。

「私以外は鶏舎の中に一切入りません」

鶏舎の中に入れるのは濵野さん一人だけで、入る際には長靴を消毒。

専用の服を着て、自分自身が外から菌を持ち込まないよう気を配っています。

「長野県では今年発生していませんけど、近隣の新潟、群馬や埼玉などででてきていますので、大変心配はしています、中々鳥自体に耐性がないので心配しているが、対策をする以外今のところ対策はない」

動物園も対策を強化しています。

飯田市立動物園では、フラミンゴやツルなど14種類40羽の鳥を飼育しています。

(飯田市立動物園・伊藤崇事務局長)

「こちらですがお客さんが出たり入ったりするときに足裏を消毒できるようにマットを設けている、いかに持ち込ませないかが大事だと思う」

消毒液が浸したマットを出入り口に設置。

さらに、スズメやネズミなどが入り込まないように獣舎に細かいネットを張っているほか、天井に鳥よけを設けています。

「特にカモ類が鳥インフルエンザの感受性が高いということで完全に囲まれたスペースで飼育するようにしている」

鳥インフルエンザに感染しやすい種類の鳥は、全面ガラス張りの獣舎で飼育するなど対策を徹底しています。


「一度動物園で発生してしまうと大切な飼育鳥が殺処分になるという悲しいことも起こりえると思うので絶対に持ち込まないということを気を付けて、ひとたび起こると地域の人にも大きな影響を与えてしまうのでそういったことがないように気を付けていきたい」

全国で急速に感染が広がる鳥インフルエンザ。

県内ではまだ感染は確認されていませんが、関係者が気をもむ日々が続いています。