背景にある「SNS不信」と「AIへの不安感」

野村:なぜ、ここまで極端なアナログへの揺り戻しが起きているのでしょうか。

comugi:大きな要因は2つあると考えています。1つは「SNSへの不信感」です。Instagramなどで他人の華やかな生活を無限にスクロールして見続けることは、メンタルに大きな負荷を与えます。また、昨今のX(旧Twitter)などでは、インプレッションを稼ぐためにわざと怒りを煽る「レイジベイト」と呼ばれる投稿が増えています。こうした負の構造が、デジタル空間の居心地を悪くさせているのです。

野村:デジタル空間が、安らげる場所ではなくなってきているわけですね。

comugi:2つ目は「AIの台頭」です。AIによって仕事が奪われるのではないかという漠然とした不安や、AIによる採用選考などの効率化によって「自分自身を記号として処理される」ことへの虚しさを、今の若者は敏感に感じ取っています。

若者は時代の変化に最も敏感な「炭坑のカナリア」です。彼らがアナログへ逃げ場を求めているのは、デジタル空間における「メンパの悪化(認知コストの増大)」から身を守ろうとしているサインだと言えるでしょう。