「学校は失敗する場所」――鮨アカデミーが大切にしていること
川澄先生は、講師として生徒と接する中で、「失敗できる場所を作ること」を大切にしていると言う。
「学校は失敗できる場所。実際の現場へ行ったら失敗はできないからこそ、『失敗してもいいから』と、とにかく練習してほしいんです」と、その立ち位置を大事にしている。
その一方で、最も重視しているのは衛生面だ。
「うまく作ることよりも、安全に食べてもらえる環境にすることが大切です。特に生ものなので、食中毒や事故を起こしてはいけない。そこは結構うるさく言いますね」と気を引き締める。
技術は数を重ねれば身につくが、衛生面への意識は最初にしっかり教える必要がある――それが、川澄先生の考えだ。こうした“基礎を徹底する姿勢”は、ドラマの監修でも大切にしてきたという。
また、鮨店ごとにやり方やルールが異なるからこそ、「ベースを作ること」が学校の役割だとも考える。
「僕らが教えたことも、お店に入ればそのお店のやり方がある。“郷に入っては郷に従え”なので、そこまでの土台を作って送り出してあげたいなと思っています」
さらに、鮨職人には技術だけでなく、「人との距離感も大切」とも。
「昔、親方さんに『7つ聞いて、2つ教えて、1つ褒める。それがいいバランスだよ』と言われたことがあるんです」と、その教えを振り返る。
話しすぎず、聞き役に回ること。そんなコミュニケーション術も、カウンターに立つ職人に必要な力なのだ。














