「感情を動かすため」にVFXがある――人間ドラマを支えるリアリティー
「jitto」のようなVFXスタジオにとって、本作で言えば「試合をどう撮るか」「どのようにVFXを効果的に入れられるか」といった課題はつきものだが、取材中に3人が力を込めて語ったのは、それが「どう自然に見えるか」。
本作では、試合シーンのみならず、随所に登場する“宇宙表現”も、作品を彩っている。天才すぎるがゆえの厳しさで周囲を“闇落ち”させてきた宇宙物理学者・伍鉄の頭の中に広がる数式や宇宙――。その“宇宙”を再現した映像は、幻想的でもある。
対して、試合のシーンは、激闘シーンといえども“自然に見える”ことにこだわった。映像として単に派手に見せるのではなく、視聴者はCGを意識せずに、試合や選手たちの熱量に没入できる。そのリアリティーが、本作のVFXの特徴でもあるのだ。
尹さんは「『GIFT』は、選手やその周りの人々の思いや人間ドラマも映し出しているドラマだと思います。その中でどうしても普通の撮影では表現できない部分を、僕たちがお手伝いできていれば」と率直な思いも口にする。
「そこにVFXがあることで、より見ている方の心を動かすことができたら、一番のゴールかなと思います」とVFXの意義を語る。
普通の撮影だけではたどり着けない“感情”を、映像技術で補完する――。“CGだと気づかれないCG”を追求した先にあったのは、情緒ともつながっていく映像表現だった。本作の熱狂や人間ドラマは、そんなスタッフたちの執念によって生み出されている。














