専門家との“真剣勝負”で描いた「大阪湾の命」

 そんな逢香さんにとって、今回の「海づくり大会公式ポスター」制作は、これまでにない挑戦でした。

 (書家 逢香さん)「生き物は描き慣れていますが、今回はかなり苦労しました」

 海づくり大会のポスターは、日本中の水産関係者の目に触れるもの。描かれた魚の体型バランスや、ヒレの形や位置、模様が実際の魚種と異なるといけません。彼女は府の水産担当者や専門家のアドバイスを受け、魚類分類学などの専門書を参考に、正しい魚の特徴を徹底的に学びました。

 マイワシ、キジハタ、クロダイ……。

 大阪湾を代表する魚たちが、敢えて線画で少しユーモラスにかわいく描かれ、水墨画特有の躍動感ある墨の「海」の文字に配置されています。逢香さんの「妖怪書」の作品に通じる表現法です。

 (書家 逢香さん)「魚って妖怪に似ていると思うんです。ありえない形をしていたり、本当に種類も多様で。そう考えると、魚のデザインや忠実さもそうですが、パッと見たときに、子どもたちが魚を探したりして、少しでも大阪湾の魚に興味を持ってもらえたら嬉しいなと思います」

 水墨画なので、書き直しの効かない一発勝負です。そのために何度も魚のデザインを描いたといいます。ようやく納得のいく「メインデザイン」が完成しました。

 大会ロゴ内の「海」と同じ形のシルエットを視覚的に認知できるよう強調し、その「海」は、墨ならではの表現として濃淡で海の上層から海の底層までを描き分け、その層にいるべき魚を配置しているそうです。