第三幕のクライマックス:「天壇」で語られた伝統的哲学

空港での出迎えが第一幕、歓迎式典が第二幕としたら、第三幕と思える仕掛けも控えていました。これこそがクライマックスかもしれません。

2時間を超える首脳会談のあと、習近平氏は大統領を北京市内の「天壇(てんだん)」に案内しました。天壇は、かつての皇帝の宮殿だった故宮(紫禁城)、そして万里の長城と並ぶ北京の三大観光名所です。

今から約600年前に創建された天壇は、明や清の時代に歴代皇帝が天に向かって五穀豊穣を祈った施設であり、現在は公園として世界遺産に認定されています。多くの施設が天を表す深い青色(瑠璃色)の瓦で覆われています。そこで習近平氏は、大統領にこう説明したといいます。

「古代中国では、統治者たちはここで、国の平和、繁栄を祈願しました。これは『人民こそが国家の基盤。そして安定した基盤があれば国は安泰』という、中国の伝統的な哲学を映し出しているのです」