「熱烈歓迎」の第一幕・第二幕:社会主義国の「やり方」を見せつける

先週金曜の15日まで3日間、アメリカのトランプ大統領が中国を訪問しました。習近平国家主席との米中首脳会談を通じて、双方は「安定した関係」を構築していくことを確認しました。貿易・通商、イラン情勢などさまざまなテーマが語られましたが、台湾問題に関して習近平氏は「処理を誤れば、米中両国は衝突し得る」と警告するなど、かなり強いメッセージが発せられました。

しかし、首脳会談の場以外では、習近平氏は大統領に全く違う表情を見せていました。大統領訪中を前に、中国は「ピンポン外交」の美談を掘り起こすなど様々な仕掛けを行ってきましたが、大統領の北京滞在中もあれこれと仕掛けが繰り出されていました。今回は「おもてなし」という観点から、中国側の狙いを探っていきます。

トランプ大統領は13日夜に北京に到着しましたが、到着の瞬間から「思惑を込めたもてなし」がすでに始まっていました。

北京空港に着いた大統領専用機のドアが開き、タラップを降りる大統領を国家副主席が出迎え、小さな女の子がブーケを渡す。ここまではよくある光景です。しかし、大統領がレッドカーペットの上を歩き出すと、その左右には男女数百人もの若者が立っていました。スカイブルーの揃いの衣服を着た全員が、右手に中国国旗、左手にはアメリカ国旗の小旗を持ち、一糸乱れぬ同じ振りをつけながら、声を張り上げてこう繰り返していました。

「歓迎します。歓迎します。熱烈に歓迎します!」

実は、外国からの賓客をこうしたスタイルで迎えるのは、古くは毛沢東時代から存在しました。翌14日、北京の人民大会堂の屋外で歓迎式典が開かれましたが、ここでは小学生の児童数百人が大統領を出迎えました。両手に米中国旗の小旗や造花を持つ子供たちが、空港での若者たちと同様にぴょんぴょん飛び跳ねて「熱烈歓迎」したのです。

日本をはじめ西側諸国では見られない、選ばれ動員された若者や子供たちの時代がかった動作には、少し「怖さ」を感じてしまうかもしれません。しかし当のトランプ大統領は、歓迎式典後の首脳会談の冒頭スピーチで、出迎えた小学生たちを絶賛していました。

「子供たちに深く感銘を受けました。彼らは幸せそうで、本当に幸せそうでした」

中国側には、こんな思惑があったのではないでしょうか。「これが我々のやり方、社会主義国のやり方だ」「この地球上には、あなたたち自由主義国だけではない。米中2大国は、それぞれ社会主義国の代表と自由主義国の代表なのだ」。そんな強烈なメッセージを感じます。