政府の説明不足が招いた外国人に関する「情報の空白」
ただ、なぜ外国人を「問題」と見なす言葉が、2025年の参院選ではこれまでになく広がってしまったのか。その背景として、外国人・移民に関する政策について政府が長らく丁寧な説明を回避し続けた結果として生まれた「情報の空白」の存在が指摘できよう。
1990年代から、特に2010年以降の様々な外国人労働者受入れ政策により、日本は実質的に移民国家化の道を歩み続けている。しかし長らく政権を担う自民党は、(「単一民族国家」イメージを抱く支持者向けか)「移民政策はとらない」と主張し続け、実態として移民国家化する現状に関する正確な情報を発信しないまま、なし崩し的に外国人受入れ数を増やし続けてきた。
ここ10年から20年ほどの間に、労働力不足を背景とした外国人労働者の受入れなどによって、日本に住む外国人は増え続けている。また近年のインバウンド旅行客の急増を受け、多くの人びとが街中で外国人を見かける機会は格段に増えている。
しかしながら、個々人が自らの実体験として外国人と関わり、その実像を知る機会は少ないままである。例えば前掲の2021年調査で外国人との様々な接触経験を聞いた質問の集計としても、約7割の人びとは外国人との挨拶程度の付き合いの経験すらなかった。
外国人との個人的交流が偏見や排外意識を低減させる効果は、「接触仮説」として検証され続けている。つまり日本社会では、政府から正しい情報が出されない状況の中、多くの日本人は偏見の解消につながるような外国人との個人的接触経験を持たない。そのため、外国人や移民に関する情報については、各種メディアに頼らざるをえない。














