かつてバブル景気に沸いた日本。世界を買う立場にありましたが、今や買われる時代となったのです。高級タワーマンションに、リゾート地の施設、さらには湧き水に恵まれた豊かな土地まで。私たちはどう守ればいいのでしょうか?

■バブル時代に世界を買いまくったニッポン

アメリカ・ニューヨーク:ツリー点灯式(1989年)
「3,2,1,ゼロ」

1989年、三菱地所がニューヨークのロックフェラーセンターを買収。アメリカの魂を買った」とも言われました。同じ年、ソニーもアメリカの映画大手「コロンビア」を買収。さらに、保険会社が、ゴッホの名作「ひまわり」を絵画史上・最高額で落札しました。あれから30年・・・

■今や…海外が狙う日本。都心から地方のリゾート地まで…

東京・港区にあるタワーマンション。30代のアメリカ人が内見に訪れていました。

内見に訪れた米国人
「すごいですね、東京の景色はすばらしい」

都心の夜景を満喫できる34階。広さは200平米を超え、価格は5億円ですが・・・

ーーアメリカよりも安い?

内見に訪れた米国人
「間違いない」

外国人と、さらに高額な商談も。北海道で不動産業を営む日本信達・石井秀幸社長。都内で訪ねた相手は、マレーシア人のチャーさんでした。

石井社長
「(物件情報を)まだネット上にも公開していない」
チャーさん
「なるほど」

日本在住28年、投資事業を手掛けるチャーさん。彼が今、狙っているのが・・・

石井社長
「夕方になると季節によっては赤富士みたいになる」
チャーさん
「それはいいですね」

北海道ニセコにある、1万坪の雑木林。およそ43億円で購入し、宿泊施設を作ろうとしています。ニセコは、日本有数のスキーリゾート。実は、海外資本が大きな役割を果たしています。

石井社長
「こちらの建物がマカオの資本です/あの肌色の建物が香港の資本のホテルです。すごい人気のエリアで90%以上が外国の資本が入っています」

かつてスキーブームに沸いた日本。しかし、スキー人口はピーク時の1割ほど。スキー場も4割が閉鎖に追い込まれたのです。そんな中でニセコは、ブームが去った後も、国内外のスキー客を中心として、むしろ増えてきたのです。

地元の人は・・・

地元住民
「どんどん海外の資本が入って、町の中も景気が良くなっています。外資さまさまです」
地元住民
「外資の力でかなりいろんな建物も増えるので、人口も増えて活気づいている」

ニセコでは土地の価格も上がり、実は、札幌市中心部よりも上回っているのです。

石井社長
「海外の投資や資本が入ることによって、町が新しくなったり、雇用が増えたり、産業が生まれることは良いことだと思う。雪のない国(の投資家)からすると、何もない真っ白な風景は憧れ。憧れは必ずお金を生みます。」

実は、海外からの高額な不動産投資は去年、4.6倍も増えているというデータもあるのです。