シリーズ「SDGs」。貴金属価格の高騰で教育現場での楽器の調達が難しくなるなか、思い出の楽器を寄付することで子どもたちの音楽活動を支援するふるさと納税が注目されています。

埼玉県川越市の川越第一中学校・吹奏楽部。30人以上の部員を抱え、活動を続けていますが、今、ある問題に直面しています。

部員
「後ろがへこんでいます。押すところが固まっちゃって、戻ってこなかったりとか」

楽器の“老朽化”。代々、引き継がれてきた楽器のなかには、40年以上前に購入されたものもあるといいます。

部長
「もう半分以上は古い楽器が多い。修理が必要なものもあったりするので、ちょっと大変」

新しい楽器の調達が難しい、その背景にあるのが、貴金属価格の高騰です。

なかでも、銀の価格は6年前と比べて、およそ7倍に上昇。その影響で、楽器の価格も上がり、限られた市の予算では買い換えが難しいのが現状です。

そんななか、学校に届いたのが…

吹奏楽部 顧問 岩渕華音 教諭
「こちらが寄付いただいたトランペットです。あと今、使っているホルンとかクラリネット、あとはフルートもですね」

全国から寄付された楽器。実は“ふるさと納税”を通じて届けられたものだといいます。

東京・江東区にある「マーケットエンタープライズ」。全国から寄付された楽器の査定を行っています。

マーケットエンタープライズ 萩原正樹さん
「こちらにありますのが、今回、寄付されている楽器になります。こちら2つが茨城から大阪の堺市の方に寄付される楽器となっております。これまでですね、約1000件以上の寄付者の方からのご応募をいただいて、実際に寄付が実施できている状態となっております」

楽器を寄付すると、その査定額分の税金が控除される「楽器寄付ふるさと納税」。楽器は各地の学校などに届けられ、寄付した人には感謝を伝える直筆の手紙が子どもたちから送られてきます。

2018年に始まったこの取り組み。今では全国11の自治体で行われています。

マーケットエンタープライズ 萩原正樹さん
「ぜひこういったものを学生さんに使ってくださいっていう心温まるような手紙入りで寄付をしてくれる方もいらっしゃいますので、大切に使われた楽器、ご自身で使った思い出のある楽器を寄付していただいている」

川越市は、4年前にこのプロジェクトに参加。川越第一中学校にも、これまでに6個の楽器が届けられました。楽器の数はまだ十分ではありませんが、7月のコンクールに向けて、日々、練習に励んでいます。

部員
「人の寄付された楽器ってこともあって、その楽器を見ると、勇気がもらえる。自分も頑張ろうって思います。最後のコンクールなので、皆で気持ち揃えて、いい結果が残せたらいいなと思います」

思い出の楽器を、次の世代の手に引き継ぐ。想いの輪が全国に広がっています。