半年で見えた“変化” 野党に配慮から一転…一方で党内には融和姿勢

就任から半年が経ち、大室記者がまず変化として指摘するのは「野党への向き合い方」だ。

高市総理は2025年秋、「年収の壁引き上げ」「給付付き税額控除」「首都機能のバックアップ体制構築」「ガソリン暫定税率廃止」など野党を意識した複数の政策を公約として掲げ、自民党総裁選に出馬した。衆参で少数与党という当時の状況から、総裁選でも「野党との連携」は大きなテーマの1つだった。

総理指名選挙後の挨拶回りでは、国民民主党の玉木代表のもとを訪れ「かわいい弟」と口にするなど、距離の近さがうかがえる場面もあった。

しかし2月の衆院選で自民党が過去最多の316議席を獲得し、単独で3分の2以上の議席を獲得したことで、状況は大きく変化した。

自民党が予算委員長ポストを奪還し、職権で日程を立てて審議を進め、強引ながらも衆院を通過させた。この予算の年度内成立をめぐる過程で国民民主党が要求をつり上げたこともあり、ある政権幹部は「国民民主党は信用できない」と話すようになったという。かつては連立の本命であったはずの国民民主党と官邸の間の溝は「かなり深くなっている」と大室記者は指摘している。

一方、高市総理の自民党内への向き合い方にも変化が見え始めた。会食嫌いを公言し、総理就任後も夜の会合をほとんど開いてこなかった高市総理が、4月21日に衆院予算委員会の理事らを総理公邸に招き、慰労会を開催した。

坂本哲志委員長と齋藤健筆頭理事への感謝の言葉から始まり、出席者の経歴などを事前に頭に入れ、一人一人に声をかけていたという。

これまで高市総理との関わりが薄かった出席者の一人は、「印象が変わった。女帝のイメージだったけど、気を遣う柔らかい方だと感じた。ああいう形でフランクに話せれば、高市さんの人間味も垣間見えると思った」と振り返った。

慰労会の2日後には、新人議員が集まる懇親会「鹿鳴会」にサプライズで登場し、激励や写真撮影を行ったり、5月以降には参議院予算委員会のメンバーや国会対策委員会の慰労会も予定されているなど、意識的に党内への働きかけを増やそうとする動きが読み取れる、と大室記者は話す。