「ねつ造の可能性がある」1本のスクープが暴いた“ねつ造”

不正発覚のきっかけは一本のスクープだった。

番組内容に違和感を抱いた『週刊朝日』が独自に取材・検証を行い、「放送内容は事実ではなく、ねつ造の可能性がある」とのスクープ記事を掲載。これを契機に、事態は急展開を見せる。

関西テレビは2007年1月20日、緊急記者会見を開く。社内調査の結果、実験データやコメントにねつ造があったことを認めたのである。
つまり、実際には納豆を食べればやせるという「科学的根拠」は存在しなかったのだ。

翌21日には、同番組の放送を休止するとともに冒頭5分を使って虚偽だった内容を説明した。スポンサーの対応も早かった。
関西テレビ・フジテレビ系列の日曜21時枠で長年、単独スポンサーを続けてきた「花王」が降板することを決定。23日には番組の打ち切り終了が発表された。

調査で明らかになったのは、意図的な編集だった。

社内調査などによると発端は担当ディレクターがどこかで仕入れた情報だった。
ー納豆にはイソフラボンが含まれている。イソフラボンには「DHEA」が含まれている。その「DHEA」をネズミに飲ませた実験で、ネズミがやせたーーという三段論法の筋立てだった。

ディレクターはアメリカの大学教授を取材し、そのコメントを放送した。たが、そもそも教授が発言した趣旨はこうだった。

「納豆を食べればやせるなどということは知らない。イソフラボンがDHEAを増やすことはない。そもそも自分はネズミでしか実験していないから、人間がやせるかどうかは判断できない」

実験はあくまでネズミ、動物レベルのものであり、人間一般には適用できないーこれが教授のスタンスだったのだ。

ところが、放送期限が迫って焦ったディレクターは編集段階で発言内容を改変。まったく異なる日本語訳コメント、いわゆるボイスオーバーをかぶせ、あたかも教授が「納豆を食べるとやせられる」と断言しているかのように作り変えて放送してしまったのだ。