暴力団排除の陰で――テレビ局不祥事に挑んだ二人の調査

プロ野球界の暴力団排除への取り組みが一定の成果を見せ始めた頃、コミッショナー特別顧問の熊﨑勝彦と、ヤメ検弁護士の猪狩俊郎は、思いがけずテレビ局の不祥事の調査にも関わることになる。
メディア業界を揺るがした事案であり、本稿で触れておきたい。
2007年に発覚した、関西テレビ制作の人気番組『発掘!あるある大事典2』の大規模なデータやコメントの「ねつ造事件」である。
熊﨑は関テレから「外部調査委員会」の委員長を依頼され、猪狩は小委員長として実務を担い、全容解明にあたることになった。
猪狩は急遽、体制を整えた。「一番町法律事務所」の弁護士に加え、外部も含め16人を招集して、集中的に調査を進めた。
資料の精査や出演者や番組制作者への聞き取り。熊﨑と猪狩はまさに二人三脚で事実関係を洗い出していった。
経緯はこうだ。関西テレビは、2007年1月7日放送で「納豆ダイエット」を取り上げる。
問題となったのは、「納豆を食べるとやせる」という効果を「断定的に伝えた内容」だった。
放送直後から、全国のスーパーで納豆の売り切れが続出、入荷未定という状態が相次いだ。社会現象とも言える過熱ぶりである。














