「自分は大丈夫」 その思い込みがいちばん危ない
女性は、これまでもテレビや新聞で特殊詐欺のニュースを見ていた。
警察を名乗る電話。
「あなたの口座が犯罪に使われている」と不安をあおる手口。
高額な現金を引き出させる流れ。
決して知らなかったわけではない。
それでも、自分がその当事者になるとは思っていなかった。
「まさか自分が、という思いがどこかにあったんだと思います」
詐欺のニュースを見るたびに
「気をつけなきゃ」とは思っていた。
けれど、もしかしたら意識のどこかに
“自分は大丈夫”
という小さな自信があったのかもしれない。
だからこそ、実際に電話がかかってきた時、
それがニュースで見た“あの手口”だとは結びつかなかった。
むしろ、
「自分だけが特別な状況に置かれている」
そう思わされていった。
「あなたのケースは特殊です」
「これは極秘の捜査です」
「誰にも言わないでください」
そんな言葉が、
周囲に相談するという選択肢を奪っていく。
詐欺師が狙っているのは、
“騙されやすい人”ではないのかもしれない。
「自分は騙されない」
そう思っている人ほど、一歩目を踏み外した時に気づきにくい。














