生命の進化と病原細菌の成り立ちを考えるうえで興味深い発見

この研究によって、細菌のコラゲナーゼは、コラーゲンの上を歩きながら少しずつ繰り返し切る仕組みがわかりました。

この発見は、コラゲナーゼを邪魔する感染症のくすりを創ったり、移植医療(細胞の取り出しなど)や再生医療(新しい組織の形を作る)に応用したりすることが期待されています。

岡山大学の松下治名誉教授は、1990年代に細菌のコラゲナーゼの設計図(遺伝子)を解読しました。

これらのコラゲナーゼは、すでに糖尿病の治療の際、ドナーの膵臓からインスリンを分泌する細胞のみをとりだす技術に応用されています。

また、腱や腱膜などの線維組織にコラーゲンが異常に増えてしこりになり、 本来の動きが制限される病気の治療にも役立っています。

松下名誉教授は「1990年代にコラゲナーゼの遺伝子を同定・命名し、2010年代になって組換え酵素が商品化されました。それから10年以上を経てその仕組みが解明されたことはとても感慨深い」と話しています。

研究グループには大阪大学大学院薬学研究科の河原一樹助教(研究当時。現:大阪公立大学講師)ら、愛媛県立医療技術大学の美間健彦教授、早稲田大学の小出隆規教授ら、米国アーカンソー大学のジョシュア・サコン(Joshua Sakon)教授らも参加