悲しみ、喪失を語り合える場を
東京都品川区旗の台にある「スペース『あはひ』」。ここは2000年に起きた「世田谷一家殺害事件」で妹を亡くした入江杏さんが2024年に開設した施設です。こちらは入江さんが代表を務める「ケアミーツアート研究所」の拠点と位置付けられていて「グリーフケア」の活動が不定期で行われています。
グリーフは死別や災害、事故などで大切な存在を失ったとの深い悲しみや痛みのことです。そのような思いを抱えた人をサポートすることを「グリーフケア」と言います。ご自身の経験も交えて全国各地で「グリーフケア」にまつわる講演をしていた入江さんですが、なぜこのような固定のスペースを作ろうと思ったのか。お話を伺いました。
ケアミーツアート研究所代表・入江杏さん
「大きな講演会って場所を借りるなど結構大変だったんです。それも大事なことなのですが、小さな場で語り合うっていうのもまた大切だと。例えば授業や講演会で話すのを少しほぐす場というか。私が動ける時に何か出来ること、伝えらえることをやればいいんじゃないかと。家族や仲間の言葉もあって『あはひ』を開設しました。小さな場ですが様々な方を紹介できる一つの器もできたと思います」
『あはひ』は古語が由来で「間」を意味します。入江さんは多くの間=タイミングに偶然に救われ、また、元々この言葉が好きだということもあり名付けたといいます。
実はこの場所は入江さんの生家をリノベーションして作られました。入江さんが子供の頃に妹さんと遊んだ庭も残されています。事件が起こる前から妹さんと「いつか地域の方たちが集まれる場所を作ろう」と約束していたそうで、その夢を形にした場所でもあります。














