大阪・関西万博の開幕から1年、閉幕から半年です。成功ムードの裏で残された課題も浮き彫りとなってます。万博の会場内外で活躍していた電気で走る「EVバス」。万博のために税金も投入され購入された車両ですが、いまは止まったままで放置されているというのです。“負の遺産”となってしまうのでしょうか?

EVバスが“負の遺産”に?放置された135台

13日午後、報道陣に公開された大阪・関西万博の会場。

上空から見ると、シンボルだった大屋根リングは3割ほど解体され、多くのパビリオンが姿を消し、ほとんどが更地になっているように見えます。

この万博で活躍した“あるもの”が、思わぬ形で残されていました。

清水貴太 記者
「ご覧ください。あちら見えてきました多くのバスが止まっています」

鉄道車両の点検などを行う大阪メトロ・森之宮検車場の一角に並ぶ、電気で動く「EVバス」です。

上空から確認すると、その数は135台にのぼります。

清水貴太 記者
「バスのタイヤには車止めがつけられていて、固定されています。バスの上の方には白い汚れでしょうか、鳥のフンのような汚れがあり、バスが長い間停められていることが分かります」

これらのEVバスは、万博会場の中や、会場と駅などを結ぶ足として活躍していました。

中国の企業が製造したものを北九州市のEVモーターズ・ジャパン社(EVMJ)が輸入、大阪メトロが2022年度以降に購入したものです。

国土交通省などによりますと、全国各地の運行事業者から「不具合が多い」という情報が寄せられたことで、国交省がEVモーターズ・ジャパン社に総点検を指示、その後、立ち入り検査も行いました。

EVバスは万博閉幕後、大阪府内で自動運転の実証実験に使われる予定でした。しかし、大阪メトロは"安全性が確保できない"などとして、3月末に全ての車両を今後、使わないことに決めました。

大阪メトロの決定について、EVモーターズ・ジャパン社は…

EVモーターズ・ジャパン社
「弊社としては再発防止策を進めており、大阪メトロ様に対しては、車両の安全性および安定運行の確保に向けて、改善策や運用面での対応について個別に具体的な提案を行い、客観的に評価を実施する第三者機関を探すといったことも行ってまいりました。大阪メトロ様と弊社との見解が異なっており、大変遺憾に存じます」

ただ、問題は安全性だけではありません。

大阪市によりますと、大阪メトロが万博用に購入したEVバスは計150台、約75億円。この購入費用には、国から39億円、大阪府と市から4億8000万円の補助金が出ているとされていて、半分以上が税金で賄われていることになります。

万博閉幕後も活用されることなどを想定して補助金を交付したことから、国や大阪府・市は大阪メトロに対して返還を求めることにしていて、大阪メトロは「交付者の皆さまと協議のうえ、適切に対応してまいります」としています。