「注射を打たないと死を待つだけ」ナフサ不足懸念 命の危険も
今の状況が続くと特に影響が心配されるのが、原油を精製してできる「ナフサ」だ。

原油を精製してできるナフサ。
国内で精製している分では、全体の4割にしか満たないため、残りを輸入に頼っている。その多くを占めるのが中東だ。
ナフサは様々なプラスチック製品の原料となっているため、医療器具の供給不足は命の危険に繋がりかねない。

中新井美波さん(34)は、血糖値を下げるホルモン「インスリン」が分泌されず、高血糖になってしまう「1型糖尿病」を患っている。
12歳のときに突然発症し、血糖値を抑えるため1日7回の「インスリン注射」が欠かせない。
――食べるものによって注射の量も変える?
1型糖尿病患者 中新井美波さん
「変わります。全然違います」

注射器を見ると、本体も針のフタも、注射液が入っている容器の一部も、さらに、毎日使う血糖値を測定するための装置もナフサ由来の石油化学製品だ。
インスリン注射を打たないと最悪の場合、1日も経たずに体調が悪化し、命に関わる状態になる。

1型糖尿病患者 中新井美波さん
「ご飯を食べたら歯を磨く、靴紐がほどけたら結び直す。そういう感覚で1型糖尿病患者はインスリン注射を身体に打ち続けて生きている。インスリンに必要なプラスチックがない状況があるかもしれないなんて、夢にも思ったことはなかった。インスリン注射を打たないということは、イコール死を待つだけ」
ナフサ不足への不安は広がっている。

がんなどの患者団体は、国に医療器具の供給状況を公表することや、買い占めが起こらないように対策することなどを要望している。
日本難病・疾病団体協議会 大坪恵太 事務局長
「治療の途切れが即座に命の切れ目に繋がる患者への影響を、特に危惧している」
中新井さんの場合、1回の通院で処方されるのは3か月分の注射液。今後も安定的に手に入れられるか心配している。
1型糖尿病患者 中新井美波さん
「一刻も早く戦争が終わるように国も動いて欲しいなと感じたり、早く戦争が終わることを祈ることしかできない」














