日本で難民と認定されたアフリカ出身の男性が、日本国籍の取得を不許可とした国の処分取り消しと国籍付与を求めた裁判で、最終盤に国側が提出した文書に弁護団が強く反論した。法務省が外国人の国籍取得を厳格化する中で、何があったのか。東京地裁の「知られざる法廷」から報告する。(元TBSテレビ社会部長 神田和則)

結審目前で国側が文書を提出

「この(最終)段階で、(新たな証拠を)出すのは不相当。一方的に出されて、原告が事実でないことを述べているかのように主張している。却下していただきたい」

3月12日、東京地裁の法廷で、原告代理人の鈴木雅子弁護士が岡田幸人裁判長に求めた。裁判は、この日、原告の男性側と被告国側の双方がとりまとめの主張(最終準備書面)をして結審する予定だった。ところが、国側は新たに3点の文書を提出した。

いったいどんな内容だったのか。その前にまず、裁判の経緯をたどっておきたい。