加算金の申請額が急増 厚労省が問い合わせるも…

小川彩佳キャスター:
制度の“抜け穴”という表現がありましたが、改めて今回の不正はどのような経緯で、どのような手口で行われたのか、整理していただけますか。

MBS 原田康史 記者:
A型事業所に通う障害のある方を、「A型利用者としての雇用」と「一般就労としての雇用」を計画的に何度も行き来することで、加算金を積み増していくという手口でした。

本来、就労支援というのは、障害のある方が10人いれば10通りの支援が必要なすごく繊細なものです。ただ職員の一人は、▼動画視聴など“自己学習”が中心で、▼個別支援が行われておらず、「支援より給付金が目的化していた」と証言していました。

トラウデン直美さん:
支援を受ける方にとっては、賃金の部分だけではなく、働くことから得られる社会との繋がりという実感や達成感が得られるという部分もすごく大きいと思うので、その機会を奪っていることだけでも、かなり憤りを覚えます。

どうしてここまで巨額の不正受給が、見過ごされてしまったのでしょうか。

MBS 原田康史 記者:
実は大阪市は、2022年度から加算金の申請額が急増し、これはおかしいということで厚労省に問い合わせはしていました。

ただ厚労省からは、この段階では「計画的に行き来することは問題ない」という見解が示され、そのときは制度上止めることができなかったことになります。

小川彩佳キャスター:
不正と判断できなかったのは、どういったことが背景にあるのでしょう。

MBS 原田康史 記者:
制度上行き来すること自体には、そのときは問題がないという見解が出ましたが、A型事業所に通い、スキルアップを頑張り一般企業に就職したが、馴染めずにまたA型事業所に戻るということはよくある話です。それを禁じてしまうと、真面目な事業所にも不利益が被ることから、制度は性善説に基づいて柔軟な設計をしていました。ある意味、今回はそれを抜け穴として使われてしまったことになります。