大阪で目撃が相次いでいたシカ。3月25日午後、ついに捕獲されましたが、受け入れ先を巡って物議を醸しています。

 大勢の人たちに取り囲まれながら、檻の中の様子をうかがう、シカ。なかなか「一歩」を踏み出しません。膠着状態が続いた中、午後1時15分ごろ、ついに捕獲されました。

 シカを巡っては、同一の個体かはわかっていませんが、大阪市の中心部や東大阪市で相次いで目撃されていました。人に慣れていることや、生駒山系に野生のシカが生息していないことなどから、奈良公園からやってきた可能性が指摘されています。

 警察によりますと、24日午後6時半ごろ、大阪市城東区にある大阪府警の施設の敷地内に、1頭のシカが入り込んでいるのを、警察官が発見したということです。警察はシカが外に出て事故などが起きないよう、門を閉めるなどしてシカを敷地内に閉じ込め、市に対応を求めていましたが、25日正午ごろから担当者らが現地入り。捕獲に向けて餌を使って誘導する様子も。そして、午後1時15分ごろ、用意していた檻にシカが入ったのです。

 捕獲後の受け入れ先について、大阪市の横山市長は「奈良県と調整したい」としていましたが、奈良県の山下知事は…

 (奈良県 山下真知事)「奈良公園から出た鹿は“天然記念物”ではなくなります。そうするとシカは“野生動物”だということで、農林業や人身への被害を及ぼすおそれが否定できない以上、奈良県内での放獣を認めることはできない。たとえば和歌山で捕獲したクマを奈良県で放されたら、“それはやめてくださいよ”となるのと同様に、大阪府下で捕獲されたシカについては、大阪府下で放獣してくださいと」

 難色を示した奈良県。受け入れはどうにもならないのか。先ほど、大阪市の横山市長は…

 (大阪市 横山英幸市長)「奈良県の判断は尊重したい。並行して受け入れ先の調整は進めている。一定前向きな返事もいただいています。シカさんが安全に“次のステージ”に移れるよう環境を整えていくことが大事」

 放浪を終え「次のステージ」で、新たなスタートを切ることはできるのか。捕獲されたシカは大阪市の動物管理施設「おおさかワンニャンセンター」で一時保護されたのち、府内の施設に受け入れてもらう方向で調整されているということです。