■スナメリの天敵がいない瀬戸内海 しかし、海に異変が…

他に天敵もいないためスナメリにとって瀬戸内海は過ごしやすい海。しかし今、このスナメリにある異変が起きています。スナメリが度々目撃される牛窓沖を訪ねてみました。案内してくれるのはシーカヤックのツアーガイドを務める小野塚 昌博 さんです。

(牛窓ウォータートレイル 小野塚 昌博さん)
「60年、70年前はこの辺で10分ぐらいいたら、ぼこぼこぼこぼこででいたらしいんですよ。野良猫、野良犬、野良スナメリみたいな感じで、それぐらいの勢いでいたらしいので」

瀬戸内海でスナメリは 20年で10分の1に減少


しかしそれはかつての話…岡山を含む瀬戸内海中東部ではこの20年で10分の1に減少。現在は約700頭と推定され、絶滅も危惧されています。その理由の一つが…

(小野塚 昌博 さん)
「もう本当に目を当てられない。これの5倍とか多い時には。溜まっていることもありますね。ほぼプラスチックとか缶・ビンとか。浮遊するもの、浮かぶものですね」

海洋生物を悩ませる海ごみは牛窓海岸にも


陸や川から流れ着く「海洋ごみ問題」です。ゴミは生き物の住みかや時には命を奪います。小野塚さんは、2008年に「牛窓のスナメリを見守る会」を立ちあげ、清掃活動や環境保護についてのワークショップを開いています。

(小野塚 昌博 さん)
「(スナメリは)海の豊かさを推し量るバロメーターみたいな存在なので、スナメリを通じて、いろんな瀬戸内海の環境に興味を持って見てもらえたら」

「海ごみだけではない」スナメリの減少の要因


スナメリは、瀬戸内海の生物ピラミッドの頂点にいるとされています。スナメリが生きるためには餌となる魚が、また、その魚の餌となる海藻やプランクトンが必要です。しかし、その海藻やプランクトンが今大幅に減少しています。