「電撃訪米」とバイデン大統領との会談を行ったウクライナのゼレンスキー大統領。アメリカ議会でウクライナ支援を訴えました。一方、「ロシアのプーチン大統領は崖っぷち」と話すのは筑波大学・名誉教授の中村逸郎氏。やぶれかぶれで来年1月中にも「核攻撃」に出るのではと独自予測。また、ロシア国内の強硬派で民間軍事会社「ワグネル」や新興財閥「オリガルヒ」がプーチン大統領に軍事作戦の責任を押し付けて辞任に迫るのではというシナリオを語ります。

プーチン氏「軍事作戦」を「戦争」と発言のミス…ロシア軍は崩壊寸前?

ーー今回のゼレンスキー大統領の訪米はプーチン氏にとってどのような影響がありましたか?
「プーチン大統領からすれば、ゼレンスキー大統領がアメリカへ行くにあたって、ウクライナ東部、ロシアと戦ってる所から西へ1200km離れたポーランドに入国してからアメリカに行ったんですね。1200kmも動いてるのに、ロシア軍はきちんとゼレンスキー氏の動きを監視していなかったと、もしわかれば何とか阻止できたはずなのにというところで、『ロシア軍はもう使い物にならない』んじゃないかとプーチン大統領は思っていると思います」

ーープーチン大統領自身も早く終わらせたくて混乱しているんじゃないかという発言がありました。プーチン氏に行われたインタビューの中で軍事作戦をうっかり戦争と言ってしまうミスをしたそうですね?
「プーチン大統領は今年2月24日から始まった軍事作戦について、これは戦争ではない、あくまでも特別な軍事作戦だって言ってたんですね。どこが違うかというと、戦争だったら開戦宣言しなくてはいけないわけです。そして軍でもって総攻撃しなくてはいけない。あくまでも、プーチン大統領の建前はウクライナの東部にロシア系住民が住んでいて、その人たちがネオナチによって人権とかが迫害されてその人たちを解放するための軍事作戦だということなんですね。ですから『戦争とは絶対言うな』と言ってたんですけど、うっかり戦争と言ってしまったんですね。実は、この発言について、ロシア国内でもプーチン氏を非難する声がいっぱい上がっているんですよ。これまで、あれほど自分たちに、例えば議員の1人なんですけど、『戦争という言葉を使うな』と言っておきながら自分で言っちゃったということで、プーチン氏を最高検察庁に訴えてやるという声がプーチン氏の出身地であるペテルブルクの議員が声を上げているんですね」

ーープーチン大統領はやっぱりもう早く終わらせたいというふうに考えているのでしょうか?
「そうですね。ロシア軍がかなり消耗していて、崩壊寸前で使い物にならないということで、ここにきて核攻撃で、おそらくウクライナの首都に向けて核攻撃して、もう終わらせたいということだと思うんですね。ウクライナという国を潰して終わりというふうに、どんどんやぶれかぶれの形になってるということですね」