これを取り入れていたら福島の事故は防げたと思う
アメリカでは9.11同時多発テロの教訓で、航空機の突入対策を原発に義務付けた。『B.5.b』と呼ばれるもので、破壊工作や電源喪失時に離れた場所で原子炉や燃料プールを冷却できる設備を準備しなければならない。
実は浪江町津島地区の住民訴訟で原告側の証人となった盛岡大学の長谷川学長は、日本の原発が『B.5.b』を取り入れていれば福島の事故は回避できたのではないか、と証言している。
東日本大震災が発生する以前の2006年と2008年、経産省の『原子力安全・保安院』はアメリカに赴き『B.5.b』の説明を受けていたとされる。それなのに日本は何故『B.5.b』を取り入れなかったのか…。
原発事故当時、政府に原発政策の助言を与える原子力委員会の委員長代理を務めた鈴木達治郎氏に聞いた。

元原子力委員会委員長代理 鈴木達治郎氏
「日本では過酷事故は起きないという前提だった。過酷事故のための対策は取らなくていい。それは電力会社の自主規制でいいと…。(―――過酷事故は起きないという前提をおかしいと思わなかったのか?)ず~っと前70年代の伊方原発訴訟というのがあって、その時政府側の証人だった科学者が『事故の確率はゼロではないが規制をしっかりすれば事故は起きない』ということで今のままでいい…、それくらい日本のシステムは完璧だと…。地元住民に『事故は起きない』って説明しているから、裁判で『事故が起こるかも』なんて言ったら地元の反対を受けるから政府としては言えなかった。これが安全神話を作ってしまったという歴史…」
もし『B.5.b』を取り入れていたら福島の事故は防げたと思うか改めて鈴木氏に聞いた。
元原子力委員会委員長代理 鈴木達治郎氏
「防げたと思います」
さらに原子力の平和利用やエネルギー安全保障が専門の小林祐喜氏も言う。

『笹川平和財団』 小林祐喜 主任研究員
「これは痛恨だったと思います。『原子力安全・保安院』が聞いていながら何故東京電力をはじめ電力事業者に情報供与しなかったのか…。当時の規制する側(保安院)とされる側(電力会社)の力関係が違い過ぎた…」














