東日本大震災から15年が過ぎた。被災地に爪痕は今も残り、被災者の心の傷を癒すには15年は短かすぎる…。中でも福島県は地震と津波に加えて史上最悪の原発事故に見舞われ、今も避難者は2万人を超える。そして廃炉に向けた事故処理は遅々として進まない…。

だが、この15年の間に原発を巡る社会のスタンスはかなり変わった。

福島第一原発の未曽有の事故を受け時の民主党政権は「2030年代に“原発ゼロ”」を目指した。これにドイツ、ベルギー、スイスなどが同調し、世界は“脱原発”に舵を切る…。ところが時が経つにつれ、世界が“脱炭素”を標榜すると原発の必要性が浮上。“原発の復権”だ。AIの普及による電力の需要もこれに拍車をかけた。岸田政権は「原発を最大限活用」と謳い、EUのフォンデアライエン委員長は今週「原発縮小は戦略的誤り」とまで言った。

“脱”と“復権”どちらかに振り切ることは容易ではない中で、アメリカとフランスという2つの原発大国の現状から日本がとるべき原発政策を考える。