「カッコいい」前を向き続けた父 一方“原発の不安”も

父・栄達さん
「港もあんな感じでぐちゃぐちゃで、それにプラス原発問題がかかってきて、全然将来が見えない中で、自分がこのまま漁師を続けていっても良いのかなって不安もあった中で」
「やるしかなかった、子どもがいたから仕事をしていないわけにはいかない」

家族のために働くしかなかった父。

息子・航世さんは、せっかく獲ってもみんなに食べてもらえないのなら意味がないとすら思っていました。

しかし、原発事故直後に全面自粛になった漁も、翌年からの試験操業を経て徐々に出荷が出来るようになり、漁に行く父の背中も活き活きとしてきました。

父・栄達さん
「ただ15年、何もしないで黙っていたわけでもなく、どんどん良い方向に進めているのではないかなと思っています」

前を見続ける父に、いつしか心境も変化してきました。“お父さんと一緒に漁に出たい”。

菊地航世さん(中2)
「カッコいいもあるし、自分もそういうふうになりたいと思った」

そんな息子の声に嬉しい反面、こんな不安も。

父・栄達さん
「前よりトラブルみたいのはないから騒がれることはなくなったけど、処理水の問題が続いているうちは元に戻ったとは言えないわけで」

父・栄達さんが不安に感じているのは、3年前から始まった処理水放出の風評被害。

処理水とは、原発事故で発生した汚染水から、大部分の放射性物質を取り除いたものです。しかし、トリチウムとよばれる放射性物質は除去できず、薄めて海に放出。

この先も25年程度は続く見込みです。