表現の自由の侵害?~子どもたちが新法の“違憲性”を主張~
南オーストラリア州の内陸部の牧羊農場で暮らすライリー・アレン君(15)には、切実な不安がある。学校の友人の中には、ライリー君の家から70キロも離れた場所に住む子どももいる。「夏休みの間、どうやってみんなと連絡を取ればいいのか、全然わからない。影響は決して良いものにはならない」と、ライリー君は地元メディアの取材に答えた。
同じ思いを法廷に持ち込んだのが、シドニーに住む15歳のノア・ジョーンズ君だ。権利擁護団体「デジタル・フリーダム・プロジェクト(DFP)」が起こした違憲申し立ての原告の一人で、この法律がオーストラリアの憲法に黙示的に保障された「政治的・社会的コミュニケーションの自由」を260万人の若者から不当に奪うものだと訴える。
「生まれた時からずっと生活の一部だったものが、突然すべて奪われてしまう」と、ジョーンズ君は主張しているのだ。
オーストラリア在住30年以上の清水英樹弁護士は、今回の子ども側からの訴訟について、オーストラリア憲法には人権章典が明文化されておらず、SNS上での表現が「守られるべき権利」に該当するかどうかが焦点となると指摘。現代においてSNSは、意見表明や情報収集、社会参加のための公共インフラとなっており「国家による包括的なアクセス制限が、実質的に表現の自由を制約してしまう点について法的に検討される可能性がある」とした。
一方、プラットフォーム側に科せられる巨額の罰金については、「法律で制限を設けても、実際にプラットフォーム側が完全に管理するのは難しく、双子の子どもの片方だけが使えてしまうような技術的・運用上の不備が見受けられる」とした上で、「施行から日が浅いこともあり、現段階では厳格な罰則適用よりも、社会全体への啓蒙、意識付けとしての側面が強い制度だ」と分析した。














