(2)現病院は回復期病院に

高齢患者への対応もポイントの1つです。現在の病院の北館を残し、新病院で手術を受けた患者のリハビリなどにあたります。開院式典で土手病院長は、人気ドラマの女性外科医を引き合いにその必要性を訴えました。

安佐市民病院 土手慶五病院長
「これだけ超高齢社会になってくると、大門未知子さんがいくら上手に手術をしてもですね、そのまますぐに家に帰るわけには行きません。」
病院1階の真ん中には患者の家族のための相談室を7部屋用意。入院が決まった日から退院後の生活支援にあたります。入院病棟では、患者の転倒防止用にベッドから起き上がると看護師に知らせる離床センサー付きのベッドを導入しました。導入したベッドは40床。全体の1割にあたる数です。

リハビリテーション科 小林浩介理学療法士
「入院患者さんのだいたい3%の方がこけていらっしゃるんです。患者さんに安心して入院していただくためには予防していくっていう観点が大事だと思っています。」
(3)待たせない外来
3月19日にあった「全体リハーサル」です。
永田信二副院長
「きょうからリハーサルが始まりますけど、内容に関してはわれわれ職員が、患者さん目線に立って…。」
もう1つの大事な取り組みが「待たせない外来」です。患者のスマホに病院のアプリを登録してもらうことで待合室にいなくても診察の順番が近づいたことを知らせます。

医師が、パソコン画面をクリックすると、患者役のパソコンに「まもなく診察の呼び出しをします」という連絡が届きました。

永田信二副院長
「患者さんはもう車の中でもどこで待ってもらってもかまいませんので、呼び出しがあったら、こちらの方に合図がありますので。」
ちなみに1階のこのホールなどは災害時にけが人ら4000人を受け入れるスペースとして活用することにしています。
土手慶五病院長
「時代のニーズに合わせて選択をしていったら、こういう形の病院ができたということだと思います。これからは本当に地域の人の健康にお返しできるような働きというのが求められるというふうに思います。」
入院患者の移送の本番は、来月1日。この日、およそ100人の入院患者が引っ越しをして、大病院の医療活動はスタートします。