■第91回全日本フィギュアスケート選手権大会(25日 大阪・東和薬品RACTABドーム)
全日本フィギュアの最終日は男子シングルのフリースケーティング(FS)が行われ、ショートプログラム(SP)首位の宇野昌磨(25)がフリーでもトップに立ち3年ぶり5度目の優勝を飾った。
SP2位の島田高志郎(21)はフリーで高得点をマークし2位、SP4位の友野一希(24)がひとつ順位を上げ初の表彰台となる3位でフィニッシュ。GPファイナル銀メダルの山本草太(22)はジャンプのミスが響きSP3位から順位を下げ5位で初の表彰台入りを逃した。今季初戦で北京五輪銀メダルの鍵山優真(19)は8位で復帰戦を終えた。
優勝を決めた宇野は、女子シングルの坂本花織(22)に続き来年3月に行われる世界選手権(さいたまスーパーアリーナ)の代表内定を手にした。
この日、宇野は最終滑走で演技。冒頭の4回転ループを決めるが、4回転サルコウは2回転、4回転フリップで痛恨の転倒。続くトリプルアクセルは決めると後半は4回転トウループからの連続ジャンプを成功させ、4回転トウループからの連続ジャンプ、トリプルアクセルからのジャンプシークエンスで見事に立て直した。終盤は情熱的な曲調に合わせたステップとスピンで観客を魅了し、難易度の高いプログラムを苦しみながらも滑り切った。得点はGPファイナルでマークしたフリー自己ベスト(204.47)には届かなかったが、191.28点をマークし合計は291.73点で圧倒した。
演技後、宇野は「前半ジャンプで失敗した分、後半がんばろうという意志が持てたので、いったん落ち着いて後半しっかりやろうと冷静にできたかな」と振り返った。さらに「まだまだ成長したいと思っているので、また一歩難易度を上げたプログラムに挑んでいきたい」と意気込んだ宇野は、世界選手権の連覇について聞かれると「僕自身が何かの大会で成績を残したいという思いでやっていない。実際に試合になったらスケートで何を表現したいのかを追求していきたい」と力強く語った。
2位の島田は冒頭の4回転サルコウで手をついたが、4回転トウループは成功。続くトリプルアクセルからの連続ジャンプ、3回転ループを決め、後半はトリプルアクセルからの連続ジャンプ、3回転ルッツ-ダブルアクセルを決めるなど得点を重ねていった。演技後は会場のスタンディングオベーションに笑顔で応え、ISU(国際スケート連盟)非公認ながら合計得点でGPシリーズ・イギリス大会でマークした自己ベスト(247.17)を超える252.56点をマークした。
SP4位の友野は、冒頭4回転ー3回転トウループの連続ジャンプを決めると、次の4回転が2回転に。後半はトリプルアクセルからのジャンプシークエンスなどで得点を重ね、終盤は軽快なステップで“おっちょこちょいな指揮者”を演じきった。序盤のミスを見事に立て直した友野は、10度目の全日本で初の表彰台入りを果たした。
【男子シングル結果】
優勝 宇野昌磨 291.73点(SP100.45、FS191.28)
2位 島田高志郎 252.56点(SP87.69、FS164.87)
3位 友野一希 250.84点(SP85.43、FS165.41)
4位 佐藤駿 249.64点(SP81.78、FS167.86)
5位 山本草太 245.41点(SP86.89、FS158.52)
6位 三浦佳生 242.55点(SP71.12、FS171.43)
7位 森口澄士 241.63点(SP76.31、FS165.32)
8位 鍵山優真 237.83点(SP81.39、FS156.44)














